第43回日本脳神経外傷学会

会長挨拶

 
第43回日本脳神経外傷学会会長

第43回日本脳神経外傷学会
会長 松前 光紀
(東海大学医学部 副学部長
東海大学医学部外科学系脳神経外科学領域 領域主任 教授)

 
 

このたび、2020年3月6日から3月7日まで第43回日本脳神経外傷学会をお世話させていただくこととなり、東海大学医学部外科学系脳神経外科学領域に所属いたします教室員一同大変光栄に存じます。また初代佐藤 修名誉教授より津金隆一前教授に引き継がれ、東海大学が伝統としてまいりました、脳神経外傷治療に対する熱い思いと、たくさんの症例を経験する中から生まれた臨床研究の成果が評価され、本会の開催をお任せいただいたことはこの上ない喜びであります。今回、本学会のテーマを「Neurotraumatology 裾野のひろがり」とさせていただきました。外傷学の発展は、人々の争いと共に歩んできた側面も忘れ去ることはできませんが、当面我々が居住している地域で不幸な過去を繰り返すことは無いと信じております。近代医学の発展と共に脳神経外科学が歩みを進めるとき、外傷学が再び注目されるようになったのは、モータリゼーションの到来による交通戦争の時代でありました。しかし先人の努力で治療技術が進歩し患者の転帰が改善するとともに、ヘルメットとシートベルトおよびエアーバックの装着義務化、飲酒運転の厳罰化とその啓発、交通システムと自動車の改良により、いまや交通事故で亡くなられる患者さんはピークであった1960年代に比べ1/4に減少しました。さらに、産業医の努力により労災関連の頭部外傷も順調に減少しております。そして救急医学領域に関係する方々が、病院前救護と救急搬送システムの整備を行ったことも特記すべき成果であります。それでは現在残された課題は何かと考えると、一つは競技種目の多様化と競技人口の増加によるスポーツ外傷であり、もう一つは社会構造の変化によって生じた発達途中の子供が犠牲となる外傷であります。本学会のテーマを「裾野のひろがり」としましたのは、これら二つの問題に社会全体として向き合うとき、本学会が中心となって多職種でコンソーシアムを形成するべきと考えたからです。医師やナースだけでなく、養護関係者、MSW、行政、マスコミの方々に広く参加いただき、活発な議論を展開できればと考えております。

さて本学会が開催される2020年春は、オリンピックの準備が日本各地で行われるため会場の選定に苦労いたしました。幸い私たちが日頃医療を展開する神奈川県西部の観光地箱根で、県内二番目の規模を誇るコンベンションホールを有する湯本富士屋ホテルを会場とすることができました。会場は東海道新幹線も停車する小田原駅から電車で15分、箱根の入り口となります箱根湯本駅から徒歩3分の場所にあります。箱根湯本駅とホテルの間では、箱根外輪山に囲まれた芦ノ湖に源を発し、相模湾に注ぐ早川のせせらぎをお楽しみいただけます。周辺には半日や日帰りで楽しめる名所が点在しております。日頃臨床や研究で忙しい日々をお過ごしの会員の皆様には、ぜひ観光地箱根を満喫していただければ幸いです。全国各地から、多くの皆様の参加を医局員一同お待ちしております。